伊佐裕の念いごと ─おもいごと─

ひとつの建築が竣工する、その折々に寄せた伊佐裕の言葉。それは思いであり、決意であり、メッセージでもあります。

ほとんどは『芸術新潮』掲載の広告に初出。
一部は著書『和なるもの、家なるもの』(講談社)にまとめられています。
住宅の美しさは
「屋根」と「軒」の形状で決まる
これらは護るべきものの為の
強い意志である。
そこには生命の旋律がある。

ここではバルコニーの格子が「五線譜」かの如く
建物に調べを生み出している。
この玄関ホールの仕上げは
土間・鉄平石、床・オーク、壁・石灰岩
土間の低い部分より徐々に
素材感が粗いものから、繊細なものへ
心地良くデザインされた空間と
天然素材の一体化。

建築は、「脳と心」を駆使する手仕事である。
駆使する手仕事である。
水平に組まれた板壁の家
板材の厚みが各々陰影を生じ
デザインとなる。
自然が生み出す「カタチ」

「カタチ」は無為がいいのである。

木の生命を生かして
家づくりをする。
平屋の切妻の屋根は低く、母屋を包み
下屋の軒の水平が美しく
安定感を加えるこの家
良い建物には
美しいフォルム、質量感
自然との調和がある

建築の仕事は
無機物を有機物に転じ得るかである
茶室の灯りが
露地にそこはかとなく広がり
この住人の暮らしを地面に照す
私達は はかなき「生」の中に
拠り処を求める

はかなき永遠

露地は建築物を包み、自然に還す
冬木立に佇む平屋建の山荘
大屋根は鈍く光り、
辺りに静かに溶け込む
窓よりの灯りに暮らしの
温度を測る
建築は常に「意味」と「カタチ」の
融合への道のりのことだと思う

建築は、散文詩でありたい。
方形の家
外壁は不燃杉板である
天然材だけが持つ暖かみ
素材感を面的にデザインしたのである
自然の律動が感じられる家

我社の志は家族に相応しい
存在感のある家を創ること
本年もこの尊い仕事に邁進して参ります。
自然素材のみで仕上げられた和室である。
明障子越しの光が清々しい。
デザインと素材が
伝統の上で結実し
規律性と包容力が表現できた。

自然を感じ
日本人の感性に応じた生活をする
私はその為の仕事がしたい。
暮れどきの山の稜線に
家の屋根が重なり
一つのものとなる。
窓からの明かりが
実に暖かく懐かしい。

「自然」と「家」と「人」
各々が釣り合うよう 仕事に励む
「一」になるものを目指す。