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おせんべいやさん本舗 煎遊
新井和佳さん

つくる喜びが食べる人の喜びへ。
米味こめあじを楽しむ」おせんべい

おせんべいやさん本舗 煎遊」本店は、平成22年に伊佐ホームズが建てた、伝統的な蔵を思わせる建物です。新井製菓の新井和佳社長は、伊佐ホームズが改修を手がけた鎌倉の博古堂さんとのご縁から、設計施工を依頼してくださいました。

緑に映える漆喰と白河石の外壁の本店。おせんべいを求めるお客様が次々にやってきます。

創業90年になる新井製菓は、工場を併設するこの本店を要として、関東一円に33の直営店を展開しています。その牽引力は「黒胡椒せん」。黒胡椒の香りがピリッと弾ける香ばしいおせんべいです。
「イタリアンレストランで食事をしていた時、魚料理に振られた黒胡椒の香りから、発想が湧いてきました」と、新井さんは笑顔で話します。

新井さんのおせんべいづくりのモットーは「米味を楽しむ」ということ。スーパーやコンビニを相手にしていると価格競争になってしまう。素材を吟味したよい製品をつくり、お客さまに本当に喜んでいただける体制にしようと、20数年前、全製品を直売に切り替えました。
勇気ある決断でしたが、結果は大成功。おいしさを知る根強いファンが増えていったのです。

植栽を見越す地窓や敷瓦の床。しっとりと落ち着いた店内。

製造中のライン。素材の良さを引き出すよう、機械にも改良を重ねてきました。

「大量に流通している多くのおせんべいは上掛けといって、表面上の味や風味で目を引こうとします。でも本来は、味をつけない素焼きの状態でおいしくなければいけません」

お米は秋田県大潟村の信頼の置ける地区と契約を結び、あきたこまちを玄米で仕入れて自社で精米しています。また、“素材に主従なし”とも考え、黒胡椒やゴマ、パッケージに至るまで、それぞれの担当者と膝を突き合わせてじっくりと素材の良さや特徴を聞き、納得した上で仕入れたものばかり。塩、米油、海苔も同様に国内の生産者を訪ねて吟味しています。

今、新井さんはおせんべいの持つ食育の力に注目しているといいます。堅いおせんべいが噛む力を促進するだけでなく、国産のお米を使うことで日本の風景を美しくしていることを地域の子どもたちに伝えたいと考えています。
「伊佐ホームズさんが毎年開催している世田谷児童絵画コンクールのように、おせんべいが地域の子どもの健康や文化に役立つことを表現したいですね」と話す新井さん。食べる人の喜びを原動力に不易流行の菓子を次の世代へ、との強い思いを感じました。

特別限定の「月あかり」。群馬県の極上米「水月夜(こしひかり)」、秋田の無添加塩「藻塩」、国内産米ぬかから抽出された「こめ油」を使用。手前は「黒胡椒せん」。

深谷市の名物、深谷ねぎを生のまま使った「葱みそせん」(手前)。堅焼きせんべい「吟米」シリーズ(奥)。パッケージも紫外線をカットするアルミ蒸着にするなど、美味しさを伝える努力を惜しみません。

昭和初期の工場内の様子。

おせんべいやさん本舗 煎遊 深谷本店
深谷市本田ヶ谷100
tel. 048-571-4911
営業時間などは公式サイトをご確認ください。
http://www.osenbeiyasanhonpo.jp/
施工事例「おせんべいやさん本舗 煎遊」
『伊佐通信』7号(2016年)より転載
※内容は掲載時のものです

新井和佳(あらい・かずよし)

昭和29(1954)年群馬生まれ。大学卒業後、証券会社勤務を経て煎餅をはじめとする製菓製造機械専門の新井機械製作所に入社。平成5年米菓製造部門も兼任し、平成12年「黒胡椒せん」を開発、発売。平成21年代表取締役に就任。趣味は鮎釣り。