融通無碍なる家づくり

2技術

信頼関係を築いてきた
職人チームが施工、製作します
2 技術

お客さまのご意向に沿った建築を責任を持って建てるために、伊佐ホームズでは、設計者、営業、現場監理、インテリアコーディネーター、そして職人集団が一軒ごとにチームを組みます。

創業以来築き上げてきた、信頼のつくり手ネットワークは、私たちの誇りとするところでもあります。

工業製品を組み立てて終わり、ではなく、大工、左官、経師、建具職人、庭師、椅子張り職人、曳家職人など、稀少となった伝統技術を含め、さまざまな分野のつくり手たちがオリジナリティ溢れる、あなただけの家を拵えます。

築120年の
土蔵と調和する住居

東京・世田谷の「築120年の土蔵と調和する住居」は、職人の思いと情熱、高い技術なしにはつくれなかった家のひとつです。大工、庭師、曳家職人、左官、建具職人、漆職人......。それぞれの職人が腕をふるうことによって、家の歴史を引き継ぎつつ、ご家族のこれからの暮らしと共に歩む家ができあがりました。

棟門 格式ある門構えはそのままに

棟門格式ある門構えはそのままに

お客さまは代々農家を営んでおり、広い敷地には母屋と畑、そして明治30年代に建築された土蔵が立っていました。瓦の載った門と、漆喰、屋根、柱などは生かしつつ、腰板を張り替え、漆喰は塗り直しました。

モミジと母屋外観 庭木は移動させて、生かす

モミジと母屋外観庭木は移動させて、生かす

庭にはたくさんの木々が立派に育ってましたが、中には新しいプランの妨げになるものもありました。そこで、モミジをはじめとする思い出深い10本以上の木々を庭師が移植。旧宅にあった敷石も組み直してアプローチに用いました。また、庭石も新しい家に合わせて配置し直しました。

土蔵 曳家と左官の技術で新旧をつなぐ

土蔵曳家と左官の技術で
新旧をつなぐ

120年を経た土蔵は現役で使われていました。母屋を新築するにあたって、土蔵は残したいというお客さまの強い思いがあり、プランを検討し、最終的に土蔵を曳家して新しい家と繋げることとなりました。

「曳家」というのは、建物を解体せずに移動させることです。曳家職人と大工が協力して準備をすすめ、土蔵はゆっくりとレールの上を約12メートル移動、敷地内の新たな場所に落ち着きました。

土蔵の壁は土で、厚さは30センチ以上あるため、どんなに気をつけて移動させたとしても、壁の一部は剥がれ落ちてしまいます。そこで左官職人の出番です。落ちた部分や、扉の角、金物のベース部分など欠けた部分は埋めて漆喰を塗り直しました。アールを描く小さな鏝(こて)を使ったり、型を自作したり。状態のよい部分は残したため、新旧の壁が混じり合い、それも景色となりました。

土蔵 曳家と左官の技術で新旧をつなぐ 土蔵 曳家と左官の技術で新旧をつなぐ 土蔵 曳家と左官の技術で新旧をつなぐ
壁の絵 漆喰のニッチと「いなご天井」

壁の絵漆喰のニッチと
「いなご天井」

1階の廊下には、家に伝わる白梅の絵を飾ることになりました。通常だったら、壁を補強して絵を掛けるところですが、今回は漆喰の壁を絵のスペースの分だけ彫り込み、木製の台を取り付けた上で納めました。まわりの壁と面が揃い、廊下が狭くなることもなく、この絵にふさわしい場所ができました。

天井は「いなご天井」といって、板が反ったり、板の板の間に隙間が空かないよう、裏側に細かな細工をほどこしています。

和室 軒天井に込められた高い技術 和室 軒天井に込められた高い技術

和室軒天井に込められた高い技術

設計担当者いわく、「大工さんは和室に入ったら、1ヶ月出てきませんでした」。現代では珍しくなった真壁 (柱が露出している構造) の和室の新築に、大工も存分に腕をふるいました。なかでも時間をかけたのが、縁側の軒天井です。外部に面しているため、無垢の木材はどうしても動いてしまいます。それを見越して、薄い野地板は釘で固定せず、遊びをもたせる方法がとられました。軒天井に反射する陽光の美しさが味わえる仕上がりです。

書院旧宅の書院障子を
建具職人が補修

和室の書院障子には、旧宅のものを再利用しました。書院障子とは、細かな木片を組み上げて文様をつくる日本の伝統工芸で、古いものは接着剤なしで組まれています。長い間に一部が欠けたり外れたりしていたため、建具職人が新材を使いつつ補修。新品同様に蘇りました。

上部は、魔除けと子どもの成長を願う意味の麻の葉と八重桜亀甲の組み合わせ、下部は菱にトンボです。

書院 旧宅の書院障子を建具職人が補修

拭き漆で蘇った
ケヤキの大黒柱

旧宅のケヤキの大黒柱もどこかに生かしたい。
そこで、リビングダイニングの柱に使うことになりました。大工が30センチ角ほどの材をいったん24センチ角に挽き直し、ホゾ穴は同じ古材で埋め木。木曽からやってきた漆職人が、現場で拭き漆をほどこして仕上げました。埋め木の後は目立たなくなり、ケヤキの木目も美しく引き立つことになりました。

漆 拭き漆で蘇ったケヤキの大黒柱

伊佐ホームズ 職人列伝

大工 黒沢松雄さん・真治さん
大工 黒沢松雄さん・真治さん

「こだわり過ぎないこと」が
信条です。

現場監督 森田賢司さん
現場監督 森田賢司さん

伊佐さんと20年、90棟以上の家づくりができて、
しあわせでした。