施主は茶道・表千家の教授を務められており、80年前にご両親が平屋で建てた茶室と住まいが老朽化したために木造2階建てに改築した。長年手入れをされ、深い趣きをもつ茶庭をそのまま受け継ぐ計画。1階の間取りも踏襲され、小間、広間、鞘の間、水屋などが設けられている。床板などの旧材、襖、障子といった建具などをできるだけ再利用しながらの改築となった。
小間のお茶室は京都・大徳寺玉林院蓑庵の写し、広間も表千家のお茶室の写しで、設計担当者と大工が現地に伺って拝見し、知見を深めたうえで設計施工がなされた。施主はお茶に専心しておられ、2階の住まいは最小限の空間となっている。
玄関の格子戸がお茶の雰囲気をのぞかせている。
【所在地】東京都世田谷区
【竣工年月】平成26年12月
【構造】木造2階建て
【延床面積】99.83m² (30.20坪)